DVの背景にある女性側の課題

DV相談を受けることが時々あります。

いろんな男女の関係性があり、一概に良い悪いといえないですが、暴力はダメ、絶対。

 

DVというと身体的暴力のことがまずイメージされますよね。

生命の危険という側面から、警察が動くのはまず身体的暴力。

 

でも、一番多いのはモラハラによる支配だと思います。心が死にます。

そして、経済的DVも支配です。身動きが取れなくなります。

 

私がかかわった相談で思うのは、被害女性側に課題をもっているケースが多いことです。例えば軽度の知的障害、人格障害発達障害、などなど。

 

こういう方々は、幼少期から人間関係を築くのが難しく、優しくしてくれる人に過度に依存する傾向があります。また、その障害ゆえに男性をいらだたせたり、支配欲をあおったりすることも。DVが生まれやすい環境を作ってしまいがちです。

 

さらなる問題は、そういう方々は経済的自立と精神的自立が難しいこと。

 

DV事案の解決策の最たるものは、男性と別れて生きることですが、加害者であり庇護者ともなっている男性と別れるということは、自分のめんどうを自分で見なければいけないことになります。

 

もちろん、親兄弟に守られて生きることや、新たな男性との生活もあるでしょうが、同じように依存や対立がトラブルに発展する可能性は高いです。

 

自立が難しい女性の支援ができるところが、実はものすごく少ない。部分的に支援できるところはありますが、Aという課題についてはA事業所が、Bという課題についてはB市役所が、Cという課題についてはC法人がと縦割りになっていると、その調整を自分自身でしなければいけない、そういうことができないから困っているんだってば!というところが社会的に認知されてません。

 

高齢者や障がい者(手帳もち)にはケアマネさんがいますが、軽度の社会不適応者にはそういう人がいなくて、困っていることも表面化しないのでニーズがわかりづらいというのが現状です。

 

完全に自立して生きることが難しくても、だれかが一緒に考えてよりよい選択肢を選べるように、そして少しでも自分の力を発揮して自信をもって生きていくことができるようになる、そんな一歩が歩き出せる支援ができるようにと、日々悪戦苦闘しています。