離婚を決意する前に

福祉の制度を利用する方の中に、離婚してシングルマザーとして生きることを決められた方がいます。

 

福祉の現場で、私たちは相談者のニーズを確認しようとします。自分でニーズが整理できている人はいいのですが、離婚してまもないシングルマザーの中には、エネルギーも生活費も使い果たして、しかし子どもを食べさせていかないといけないという重い責任を独りで背負っている方がいます。不安で心が整理できてない人も多いのではないでしょうか?

 

その方々にカウンセリングをお勧めすることがあります。私が直接お話するときは、ニーズだけでなくその背景や感情についても話せることは話してもらうようにしています。一度吐き出してしまうことで気持ちが楽になることはもとより、本当に自分が望んでいること、こだわっていることをはっきりさせることができます。

 

そして、感情的に可能であれば、子どもたちのために別れた夫(子の父)から養育費をもらうことを検討してもらいます。

 

そもそも離婚するまでにも夫との関係性で疲弊され、一刻も早く離婚したいと願われる方は養育費はいらないと十分に協議せずに離婚されますが、子どもを育てるために、子どもの将来を保証するためにもお金は絶対的に必要です。自分の感情で子どもの将来を狭めてしまわないように、自分自身に必要以上の負荷をかけないように、離婚後でも養育費のことを考えられたらいいのにな、と思うケースは多いのです。

 

都道府県や中核市以上の男女共同参画センターには女性相談室というのがあります。無料法律相談も受けれますので、一度相談してみてください。離婚にあたってこんなことを考えたり決めたりしたほうがいいですよ、という話も聞けます。福祉の窓口では女性の人権が十分に尊重されているとはいえない対応が多いのですが(残念ながら人権より生命優先らしいです)、男女共同参画センターの相談では指導的発言や人格を否定する発言はありません。ありのままの気持ちを吐き出すことができます。

 

大きな決断を勢いに任せてしまわれませんように。

そして離婚に至るまで傷ついてきた自分をこれ以上傷つけられませんように。