シングルマザーの優先順位

私は、シングルマザーです。非婚のシングルマザーというと、ちょっとびっくりされます。

今は非婚のシングルマザーも増えてますが、息子を生んだ頃は全シングルマザーの1割くらいが非婚という状況なので、「私、シングルマザーです」というと、たいてい離婚したんだろうなと思われてました。

話がそれましたが、私が息子を生む覚悟をしたときに、20年、つまり息子が成人するまでは私の人生の優先順位の一番は息子だということを決めました。息子が障害を持って生まれてきたら、仕事を辞めて生活保護を受けてでも息子の世話をすることを覚悟して生むことを決めました。

だから、息子が発達障害のグレーゾーンにあたるといわれた時も、息子の苦手なコミュニケーション能力の向上のために、小学校の通級指導教室に申し込み、放課後はコミュニケーションスクールに通うことを決めました。

通級指導教室もコミュニケーションスクールも送迎は保護者がやらないといけなかったので、時間単位で有給休暇をとったり、変則勤務にしてもらったり、3年くらいは時間もお金も息子に投資しました。

私はそれができる環境にあったのでできただけで、やりたくてもできない人が大半だと思います。残念ながら、そう簡単に子どもを理由に仕事の融通をつけることができないのが現実です。

なんでこんな話をするかというと、不登校の子どものいるシングルマザーの方が、ダブルワークで子どもと向き合う時間がない、けれども働かないわけにはいかない状況で困っていらっしゃるという話があったからです。

このお母さんは、比較的若いときに結婚、出産をされました。離婚した夫は給料を自分で使ってしまい生活費を入れなかったそうです。お母さんは中卒なので正規採用の求人があまりありません。家賃が高めの家に暮らし、ミニバンのローンはまだ残っています。消費者金融に借金もあります。

私には負のスパイラルにはまってしまっているように見えます。

いろいろ無理をしている部分を手放して、優先順位を整理することをお勧めしました。

お母さんに一番向き合ってほしいのは子どもさんのことです。不登校自体が問題ではなく、学校に行こうとすると体調が悪くなることや楽な方ににげてがまんができないところが、今後の成長の妨げになるかもしれないこと、そして専門家の手を借りて対応しないと時期を逸してしまう可能性があることを、お母さんに理解してほしいと思いました。

車にローンが残ってなければ、仕事をセーブして生活保護を利用して生活を立て直すことをお勧めするところです。お母さん自身、仕事を辞めて資格をとったり高卒の学歴を得たりすることも有意義だと思います。

生活保護制度では、働ける人はその能力に応じて働いてくださいというのですが、将来安定した収入が見込めるのであれば、働くことよりも資格取得を優先させることもできます。

一人親がすべてのことをやることはできないからこそ、優先順位をつけて選んでいかないと大事なことを見失ってしまいます。

子どもの時間は二度ととりもどせないものだから、生活保護をうけるのに戸惑いがあっても、あえて選択してほしいと思う今日この頃です。