精神的に不安定な人にとっての9連休

公務員業界は年末年始は9連休の長期休暇です。

しかし、生活保護や福祉制度を利用している方々にとっては、9日間窓口があかないことは不安ではないかと思っていました。

仕事納めの日、Yさんから電話がありました。昨日から幻聴があり、眠れず不安が増しているとの内容でした。これまでも不安が強くなると自殺企図がありました。

Yさんが自殺をほのめかすときは、自分は生きているに値しないという絶望感と誰かとつながっていたいという希望が合いまった感情が見え隠れしたものでした。

長い休暇を前に状況がかなり厳しいと判断し、まずは家庭訪問して状況を確認。状況はやはりよくありません。でもしばらく一緒に話をして「気分が変わりました」と言われたので緊急時の連絡先を渡しお暇しました。

そして、その日の夕方5時、Yさんから電話があり、「薬をたくさん飲んだ、生きていく望みがない、これから残りの1月分の薬も飲む」と。

入院できる病院を探しますが、引き受け先が見つからず、時間外になったことから当番病院のK病院に電話し、とりあえず受診することにし、Yさんと一緒に病院へ。この時、Yさんは薬を飲むことをとどまり待っていてくれました。そのため、病院で胃洗浄をする必要もなく、薬の乱用はあったけれども措置が必要というレベルではありませんでした。

営業時間中、無理だ無理だと受け入れを拒否られ続けて、時間外だと当番病院であっけなく入院決定。

精神科については、専門医不足、患者急増のため、新規の受診予約は1、2か月先が当たり前といわれていますが、本当に緊急性の高い場合はどうすればいいのでしょうか?

ちなみにYさんは、この数か月間、親しい男性と無理やり引き離され、友人からも交際を反対され、また精神疾患の治療でいい関係ができていたJ病院ともトラブルで転院を余儀なくされ、行き先もなかなか見つからず、訪問看護やヘルパーさんも辞めていき、本当に心から信頼していた人たちと切り離されています。もともと一人暮らしでしたが、この数か月は本当に孤独だったと思います。

世の中が年末年始の9連休で浮かれているようにテレビが何度も何度も放送します。それを見るYさんには正月に家族と会う予定もありません。

正月は自宅で迎えたいといって、入院したくないというYさん。でも自宅にYさん一人でおいておくことはどうしてもできず、正月に外出して一緒に初詣にいくことを約束して、病院を去りました。

正解はないのですが、正月を祝うことができない人もいることを覚えていたいと思います。